アフリカとCSR

(CSRの定義について・西欧型と日本型)

経産省の定義によれば、CSR (Corporate Social Responsibility)とは、一般的に、法令遵守、消費者保護、環境保護、労働、人権尊重、地域貢献など純粋に財務的な活動以外の分野において、企業が持続的な発展を目的として行う自主的取組と解されてます(http://www.meti.go.jp/policy/economic_industrial/gather/downloadfiles/g40428a50j.pdf)。

CSRは、日本由来の考え方というよりも英語表記されているので、西洋的な考え方がします。日本においては、近江商人の「三方よし」が近い考え方と思います。その考え方は、「売り手よし」「買い手よし」に加えて、幕藩時代に、近江商人がその出先で地域の経済に貢献し、「世間よし」として経済活動が許されたことに由来するそうです(伊藤忠のウェブサイトhttp://www.itochu.co.jp/ja/csr/itochu/philosophy/)。ここは個人的な考え方ですが(よって間違っているかもしれませんが)、CSRは西欧式の考え方(豊かになった企業には社会的責任がある)、「三方よし」は日本人由来の考え方(そもそも世間によしとされないと事業が立ち行かなかった)で異なる部分も多いのですが、説明するのが面倒なので小職は「三方よし」は日本スタイルのCSRと説明することにしてます。

(西欧的なCSRの偽善的な側面とそれを流用する日本企業)

そもそも、西欧の考え方には豊かなものが施しをする思想(チャリティー)があった記憶です。大きな財閥は気付かれずに寄付し貢献をするとしていたはずです。その裏側は、寄付することで節税や風当たりを減らすという狙いがあるかも知れません(この点はそういう考えがあるということで全てではありません)。

日本企業の中でも、例えばエコということを称して再生紙を使用していると宣伝広告しつつ、実際にはそうではなかったという例があったりします。エコやCSRという言葉は日本人にとって曖昧でなんでも商業的に使える部分があると考えられます。企業の思惑が何かを敏感に感じ取る消費者としては、そうした動きを胡散臭いと思う方もいらっしゃると思います。

以上の通り、CSRの偽善的な側面とそれを流用する日本企業が一部いることで(西欧及び日本では本来的にちゃんとした仕事をしている会社が大多数であるにもかかわらず)、CSRについて違うという考え方をもっていらっしゃる方も多くいると思います。

(チャリティー・援助の功罪)

アフリカビジネスをしている方にとって、援助というセクターはビジネス障壁になる場合があると思います。無償で商品を配られると、販売をするのが難しいというジレンマです。実際にはこれもカラクリがあり、金城さんはそのジレンマはないと喝破されるかと思います。無償ということになると安かれ悪かれという状況があるので、定期的にサービスの提供ができる保証がありません。援助はいずれ消え行く存在(セーフティーネットとして残存する部分はあると思います)で、ビジネスのように継続的に続ける設計は通常されていないということもあります。援助が継続されると、住民が依存する可能性があり、経済が発展しにくくなる悪い側面もあります。しかし、チャリティーは尊い行為であるため、そうした部分に目が向かないように思われます。

(CSRとチャリティー)

CSRの中には、援助の要素を入れることで、寄付金プラス利益をあげる会社もいると思われます。援助の場合透明性が要求される公的な団体もいますが、会社の場合どこで援助しているのか分かりにくくなっているので胡散臭さが増すように思われます。

(援助CSRと経営者)

本来的にサービスでうるはずの会社が、援助を売りにするという本末転倒の状況が、筋違いと感じられるかもしれません。経営者としては、従業員が安易に援助を売りにしてサービスの向上をしないというのは困ったものです。そうした会社は、賢い消費者に非難されていずれ消え行くと思われます。よって、経営者の立場としては好きではないということは非常に理解できます。

(賢い消費者)

先程も記載したとおり、賢い消費者は良質なサービスが提供できない会社を選別し無視します。より投資したい会社を見つけて自らの理想に近いものに近づこうとすると思われます。かならずしも西欧的な見方だけではなく、自分が好きなものという基準で見分けると思います。

(CSRは悪か)

ここまで行くと、結論的に悪ではないかと考えられる人もいると思います。しかし、実は小職はCSRを道具として捉えており、利用する人間次第だと考えております。すなわち、援助含みのCSRについては、自らの懐にいれず社会貢献のためにより良い形で使用すれば、それも「あり」の選択肢になると思います。

他にCSRの利用の仕方をあげておきます。

1)大企業にとっての種まき

大企業にとって株主への説明責任は非常に大きいです。アフリカは儲かる市場とはまだ言えません。その時に、CSRという言葉の存在は大きいと思います。種まきの段階で結果を出すように言われても難しいのが現実だと思います。社会貢献をしていると言えば、取締役の責任問題になりにくい部分もあろうかと思います。

2)企業を守るためのネットワーク作り

アフリカにおいては統治制度や司法制度が発達していない地域もあると思われます。その際に、よそ者が丸裸で事業を起こすと叩きだされる可能性があります。CSR活動をアピールすることで社会とのつながりを作ることができます。

3)CSRによる内部組織の活性化

利益だけを出していくという仕組みでは、社員間で視野が広がりません。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という発想だとより豊かになります。長期的な利益を出すことを目指せば、多様性のある人材も確保できます。

(結論)

CSRの考え方は、アフリカのようにネットワーキングが必要なエリアでは有用な考えだと思います。特にシーズ(種まき)の段階では、役に立ちます。但し、偽善的な側面が出てくると、賢い消費者はすぐに気付きますのでお気をつけ下さい。

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